不動産を売却するときには査定から
たとえば、それまで乗っていた愛車を中古車業者などに売却する場合、それがどのくらいの値段で売れるのかということはすごく気になるところですよね。
もちろん、自分の考える値段で売ることができれば文句なしなのですが、世の中には相場というものがあるのでなかなかそうもいきません。
相場より高い値段で売りたいと思っても、その車によほどの希少価値でもない限りまずその値段では売れることはないでしょう。
逆に、自分の希望価格で売れたとしても、後からその価格が相場よりも低いものであったことがわかったらとても後悔することになってしまいます。
したがって、車を売りたいと思ったら、まずはインターネットを使って相場を調べたり、一括査定を利用したり、あるいは直接業者の査定を受けたりすることになるのが一般的ですよね。
マイホームなどの不動産を売却する場合もこれと同じです。
ある程度の情報収集をしたら、まずは査定を受けることになるのがふつうです。
査定の方法
不動産を売りたいときの査定は、大きく2つの種類に分けることができます。
一つ目は、インターネットなどから物件の情報を入力し、その情報をもとに業者が査定価格を出す方法です。
この方法では、過去に条件の似通った物件がどのくらいの値段で取引されているのかを調べたうえで、国が公表している地価なども参考にし、価格が出されます。
つまり、比較的簡単に集めることのできるデータだけをもとに値段を出すので、時間はそれほどかかりません。
また、売りたいほうも業者のほうもそれほど手間はかからずに済みます。
一方で、この方法では物件の細かな状態や周囲の具体的な状況といった詳しい情報を価格に反映させるのは困難です。
したがって、より正確な価格を把握することは難しく、大まかな値段しか知ることができません。
ですので、売却しようかどうかまだ考えている段階や、あるいは売却の一番初めの段階で利用する方法だと考えておくのがよいでしょう。
二つ目の方法は、実際に業者に来てもらって、物件の状態や周囲の状況を細かく調査したうえで価格を出してもらうパターンです。
調査する項目は、建物の老朽化の程度や土地の形状、日当たり、上下水道やガスなどインフラの状況、最寄りの駅からその物件に至るまでの環境など多岐にわたります。
また、図面や登記関係の書類などが必要になる場合もあります。
このため、一つ目の方法と比較してかなりの手間がかかりますし、値段が出されるまでの時間も数日から1週間程度を要するのがふつうです。
その反面、出される価格はかなり精度の高いものになりますので、実際にどれくらいの金額で売ることができるか、より近い数字を知ることが可能となります。
いずれの方法にしても、出される価格は不動産会社により多少のばらつきが出てくるはずです。
したがって、一社だけの査定を受けるというのはあまりおすすめできません。
まずはインターネットの一括査定などを利用し、そのうえでいくつかの業者をピックアップして実際に物件まで来てもらい、より詳しい査定により精度の高い価格を出してもらうというのが現実的な流れといえるでしょう。
査定価格で売れるとは限らない
ここまで査定について見てきましたが、ひとつ気をつけておかなければならないことがあります。
それは査定どおりの価格で売れるとは限らないということです。
不動産の場合は、中古車の場合と違って査定をした業者が直接その物件を買うというケースはあまりありません。
業者との間で結ぶのは売買契約ではなく、仲介契約なのです。
業者は広告などを使ってその物件を売りに出し、それを買いたいという相手が現れ、実際に売買契約が成立すれば、業者が仲介手数料を得るという仕組みになっています。
そして、このとき買い手が広告どおりの価格で物件を買うことはまれです。
ほとんどの場合は値引き交渉をすることになります。
したがって、査定価格そのままで売れることはあまりないという点には注意が必要です。
また、このような仕組みになっているのですから、必ずしも高い査定価格を出す業者を選ぶほうがいいとは限らないということも覚えておきましょう。
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