不動産に定価はありません!
スーパーやコンビニなどで販売されている商品は、同一メーカー・同一商品であれば価格に大きな違いはないですよね。
とくにコンビニではどこに入ってもドリンクなどは一律同じ価格なはずです。
このような状態をよく「定価が決まっているから」なんて言ったりすると思います。
確かに世の中にあふれる多くの商品には定価があり、それをもとに販売価格が決まります。
しかし、不動産にはその定価が存在しません。
存在するのは不動産を売却したい人の希望価格と購入したい人の希望価格です。
ただ、どちらか一方の希望価格で売買が成立するわけではありません。
ある不動産を1億円で売却したいAさんと5000万円で購入したいBさんがいたとします。
この場合、お互いの希望価格に開きがあるので価格交渉をし、お互いが納得のいく金額で売買をします。
交渉の結果7500万円で売買が成立したら、それが最終的な販売価格となります。
ちなみに、最終的な販売価格のことを成約価格と呼びます。
不動産の価値を決めるものとは?
不動産を売却したい人と購入したい人の希望価格しかないからといって、お互いに無茶苦茶な希望を出すわけではありません。
しっかり不動産の価値を判断し、それに見合った金額を出すのです。
では、何をもって価値を判断するかというと「物件のデータ」です。
といっても細かな数値を見るだけではありません。
端的にいうなら「立地条件を確認する」といったところになるでしょう。
分かりやすいもので言えば交通アクセス。
最寄駅から近い、公共交通機関がそろっているなど交通の利便性が高ければ評価も高くなる傾向にあります。
ただし、最寄駅からの距離が評価に大きく影響するのは都心が主で地方ではそうでもありません。
それから、とくにマンションが当てはまるのですが、階層や日当たりが評価のポイントになります。
これは容易に想像できると思いますが、眺めや日当たりの良し悪しが評価されているのです。
あと、高確率で評価を下げるポイントもあります。
それは、墓地や火葬場、高速道路に刑務所など嫌悪施設と呼ばれる建物や施設が近隣にある場合です。
これらが近隣にあると不快な思いをしながら生活をしなければならないため評価が下がります。
より身近な例で言えばカラオケボックスなど夜遅くまで大きな音を出す施設が該当します。
このほかにも土地の形や築年数、公道に面しているかなど様々な点を確認して不動産の価値を判断します。
4つの価格があります
不動産の価値が分かったら、次に価格を決めていきます。
先ほど定価はないと話しましたが、参考になる価格はあります。
それは「評価額」と呼ばれるものです。
不動産には主に4つの評価額があります。
それは次の通りです。
- 固定資産税評価額
- 相続税路線価
- 公示価格
- 時価
固定資産税評価額と相続税路線価は名称を見れば分かるように税金を算出するために使われる価格です。
公示価格は、国土交通省が公表する毎年1月1日時点での土地の価格となります。
「土地総合情報システム」を利用すればウェブ上で価格を調べることができます。
なので、個人にとっては土地の価値を判断する一つの目安となります。
時価は実際に取引された価格を指します。
先ほど例に挙げだAさんとBさんの話の場合だと、7500万円が時価になります。
また、時価は実勢価格とも呼ばれています。
これらの中で不動産の価値を知るのに参考になるのは公示価格と時価です。
なぜなら、公示価格と時価は実際の取引をもとに算出されているからです。
そして、多くの取引事例をもとに市場相場が形成されます。
とくに不動産の売却を考えている際に市場相場は役立ちます。
希望する売却価格と市場相場がかけ離れていると買い手がつかない可能性があるので売却価格を調整する必要があると判断できるのです。
調整をして希望する売却価格が決まれば、次に仲介を依頼する不動産会社を決め、購入希望者との価格交渉をしていきます。
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